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治験への参加を検討する人の一番の不安は、「治験に参加したら副作用が出るかも知れない」ということでしょう。

マスコミを時々にぎわせる、医療過誤問題、副作用、薬害問題など、健康に対する不安を多くの人が抱えています。

ネット上や人づてで、治験に関する様々な情報や噂や憶測が流れています。

身近に治験に参加したことがある人がいない限り、治験はベールに包まれた世界のように思われています。

なので、その「副作用」について危惧するのも当然です。

この際、はっきり言いましょう。

副作用が全く出ないとは言い切れない
全く安全だとは言い切れない
のが現状です。

まだ奥歯に物が挟まった言い方なので、もう少し明確に表現してみましょう。

副作用が全く出ないとは言い切れない
多少は副作用が出る可能性はある

全く安全だとは言い切れない
多少は安全ではない
(ちょっと言い過ぎかな。。。)
わずかだが危険が残る
(フォローになってない。。。)

 
 

もちろん、副作用が出るのは治験薬に 限ったことではありません。

治験を経て、既に承認され、医療機関で使用されるようになった医薬品(市販薬)であっても、服薬する人の体質や他の薬との飲み合わせにより、副作用は発生することがわかっています。

市販薬では、過去に発生した副作用の情報が蓄積されていて、どういう症状の時に、どういう治療をした時に、副作用が起こりやすいが、そのメカニズムが分かっています。

そのため、未然に副作用を起こりにくくする対応が可能です。

一方、治験では過去の投与実績が少ないので、「未知の副作用」が出る可能性が、市販薬に比べて高くなります。

「未知の副作用」は「未知」なので、当然防ぎようがありません。

だからその分だけ、「治験には副作用のリスクが高くなる」ということです。

 
 
Q&A-12. 治験に参加するデメリットは?
Q&A-14. 副作用が出た場合の補償は?
副作用
予測できない副作用
既知の副作用
重篤な副作用
薬物有害反応(ADR)
医薬品の投与と副作用
クスリとリスク
有害事象
重篤な有害事象
 
 

市販薬の場合、国内だけでなく世界中において、大勢の患者が服用することにより、治験中に発見できなかった副作用が起こります。

(この時、死亡したり、重大な後遺症が残ったりしている場合があることを忘れてはならないのですが。。。)

副作用の発現情報は、医薬品にとって何よりも重要な情報であり、直ちに規制当局に報告するよう、医療機関、医療関係者に義務づけられています。

世界中から集められた副作用の発現情報は、整理検討されることによって、副作用が起きやすい患者、併用薬の種類などが特定されるようになります。

副作用情報は、製薬企業から医療機関にフィードバックされ、以後、処方時に留意することにより、同様の副作用を防ぐことができるようになります。

実は、発売直後の市販薬(新薬)も、治験における被験薬ほどではありませんが、使用実績がまだまだ少なく、処方時に留意すべき情報も少ないので、副作用が起こりやすいのです。

その副作用情報を集めて、整理検討した後、直ちに医師にフィードバックする、この繰り返しによって徐々に副作用が減っていくのです。

まるで、発売直後の新しい家電製品のようです。半年ぐらい経った後に買うと、故障が少ない。

医薬品も、発売後半年ぐらいは服用するのを、待った方がいいのかもしれません。

もちろん、みんながそうしたら、服用による副作用が発生しないため、副作用情報がなかなか集まらず、結局その分だけ安全性に不安を抱える期間が長くなる、というジレンマが生じてしまいますが。。。

いずれにせよ、

「治験だから安全ではない」
「市販薬だから安全だ」
という乱暴な二元論によって、
「安全でないなら治験に参加したくない」
と判断する人であるならば、
元々、治験には向かないタイプです。

治験は市販薬に比べたらリスクは高い。
しかし、治験によって
症状が治るかもしれない、
症状が改善されるかもしれない。

多少のリスクは覚悟してでも、
治癒・改善の可能性に賭けたい。

そういう、
リスクテイキングな判断・決断によって、
治験は参加するものなのです。

 
 
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