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疫学研究は、疾病のり患をはじめ
健康に関する事象の頻度や分布を調査し、
その要因を明らかにする科学研究である。

疾病の成因を探り、
疾病の予防法や治療法の有効性を検証し、又は
環境や生活習慣と健康とのかかわりを明らかにする
ために、疫学研究は欠くことができず、
医学の発展や国民の健康の保持増進に
多大な役割を果たしている。

疫学研究では、
多数の研究対象者の心身の状態や
周囲の環境、生活習慣等について
具体的な情報を取り扱う。

また、疫学研究は医師以外にも
多くの関係者が研究に携わるという特色を有する。

疫学研究については、従来から、
研究対象者のプライバシーに配慮しながら
研究が行われてきたところであるが、
近年、研究対象者に説明し同意を得ることが重要
と考えられるようになり、さらに、
プライバシーの権利に関する意識の向上や、
個人情報保護の社会的動向などの中で、
疫学研究においてよるべき規範を
明らかにすることが求められている。

そこで、
研究対象者の個人の尊厳と人権を守るとともに、
研究者等がより円滑に研究を行うことができるよう、
ここに倫理指針を定める。

この指針は、
世界医師会によるヘルシンキ宣言や、
我が国の個人情報保護に係る論議等を踏まえ、
疫学研究の実施に当たり、
研究対象者に対して説明し、
同意を得ることを原則とする。

また、
疫学研究に極めて多様な形態があることに配慮して、
この指針においては基本的な原則を示すにとどめており、
研究者等が研究計画を立案し、
その適否について倫理審査委員会が判断する
に当たっては、この原則を踏まえつつ、
個々の研究計画の内容等に応じて
適切に判断することが求められる。

疫学研究が、
社会の理解と信頼を得て、
一層社会に貢献するために、
すべての疫学研究の関係者が、
この指針に従って研究に携わることが求められている。

同時に、健康の保持増進のために必要な
疫学研究の実施について、
広く一般社会の理解が得られることを期待する。

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