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いつくかある治療法のうち、
被験者がいずれかの治療法に
無作為(ランダム)に割り当てられる

過程のこと。

ランダム化」ともいいます。

治験を実施する側にとっては、

被験者を無作為(ランダム)に、
目的治療群
(治験薬と投与して効果を調べる群)と
対象群
(対照薬あるいはプラセボを投与する群)
に割り付けをすること。

 
 

無作為化(ランダム化)によって、
被験者を恣意(しい)的に特定の治療群に割り付けてしまうバイアス(偏り)を減らす
ことができます。

例えば、

● 治療効果が高そうな患者を
  被験薬の群に割り付ける

● 治療効果が低そうな患者を
  対照薬の群に割り付ける

こういった被験薬(治験実施の目的となる薬剤)に有利となる恣意的な割り付けを、無作為化(ランダム化)によって防ぐことができます。

→ 被験薬

無作為化(ランダム化)によって、
治療法(薬物の作用機序)の差による、真の意味ある薬効の差を推定することができます。

→ 作用機序

 
 

通常、「無作為化」と「ランダム化」は同義語として使われる場合が多いのですが、
本来、「ランダム化」という作業は、
統計解析に耐えられるよう、
つまり、
統計的な偏りができるだけ小さくなるよう
徹底的に、作為的に被験者が割付けられるものです。

ランダム化」とは、
決して無作為なものではなく、
むしろ徹底的に作為的なものなのです。

その意味において、
「ランダム化=無作為化」ではない
と考えることもできます。

そのせいか、最近では、
言葉の厳密な意味を尊重して、
「無作為化」より「ランダム化」の方が、
好んで使われる傾向があります。

 
 
ランダム化(無作為化)には大別すると、
以下の3種類があります。

単純無作為化」とも言います。

識別番号を用いて、被験者を登録する際に、無作為に各群に割り当てる方法。

通常は、登録した順に、割り付けられます。

しかし、この方法では、性別、年齢といった、治療に影響を与える要因が一方の群に偏る可能性があるという欠点があります。

ブロック無作為化」とも言います。

一定人数毎のブロック(乱塊)を作り、その中で無作為に割り付ける方法。

例えば、1ブロック4例というブロックに分割し、割り付ける群を、A群、B群の2群とすると、A群とB群が平等になる順列組み合わせは、AABB、ABAB、ABBA、BAAB、BABA、BBAA の6通り。

どのブロックにどの順列組み合わせを割り当てるかは、あらかじめ無作為(ランダム)に決定しておきます。

被験者は、どのブロックに属するかが決定された時点で、当該ブロックに割り当てられた順列組み合わせに従い、群に割り付けられます。

こうすることで、ブロックごとに、無作為にそれぞれ均等に割り付けることが可能となります。

なお、ここで言う「ブロック」が適用されるのは、複数の治験単位グループ(治験担当医師、実施施設などによる)に被験者を割り当てる場合や、次に紹介する層別無作為化における各要因の組合せによって分割された層(集団)です。

層別無作為化」とも言います。

性別、年齢、体重、人種、疾患の程度などの治療に影響を与える要因を考慮した上で、被験者を無作為に割り当てる方法。

その際、通常、ブロック無作為化の手法が用いられます。

例)性・年齢別の平準化

 
男性
女性
20代
Aブロック
(BABA)
Fブロック
(BBAA)
30代
Bブロック
(BAAB)
Gブロック
(ABAB)
40代
Cブロック
(AABB)
Hブロック
(AABB)
50代
Dブロック
(ABAB)
Iブロック
(BBAA)
60代以上
Eブロック
(BAAB)
Jブロック
(ABBA)

※ブロック内の人数(ブロックサイズ)は
比較群の数の倍数(ここでは、各4名)

 
 
割付け
偏り(バイアス)
被験薬
作用機序
盲検化
二重盲検法
(ダブルブラインド法)
二重盲検比較試験(DBT)
単盲検試験
非盲検試験
ランダム化比較試験(RCT)
プラセボ
プラシーボ効果
プラセボ対照試験
ダブルダミー
実薬
実薬対照試験
治験薬
被験薬
対照薬
対照
 
 
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