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患者が普段からよく受診する、「患者の罹病歴、服薬歴、生活習慣などを十分に熟知した医師」のこと。

患者が罹病時に必ず最初に受診する、通常小規模の医療機関の医師のこと

かかりつけ医は、専門医ではなく、とりあえず何でも診察する「一般医」です。

軽症かつ治療できる場合は、自分でも治療します。

一方、重症であったり高度・専門的な治療が必要な場合は、疾患の内容や状況に応じて振り分けて、患者に最適な大学病院や大規模病院を紹介します。

つまり、かかりつけ医は、「一次診療」の役割を果たす医師なのです。

 
 

かかりつけ医は、本来高度な医療を実践すべきとされる大病院に、軽症の患者が殺到し、医療の効率低下を防ぐ役割を果たします。

また、本来かかりつけ医は、普段からその患者を診察しているので、患者の罹病歴、服薬歴や生活習慣などを熟知しており、総合的に診察できるという意味において、医療上非常に好ましい役割を果たします。

 
 

英国では、法律によって、かかりつけ医への受診が定められています。

米国では、患者が所属する健康保険によって、強制的にかかりつけ医への受診が義務付けられています。

 
 

日本でも、欧米的なかかりつけ医の必要性が提唱されており、その促進策として、小規模医療機関からの紹介状無しの受診に対して、特別料金の徴収が実施されています。

しかし、それにも限らず、医療技術の不安から、大病院(大規模病院や大学病院等の高度医療機関)に患者が殺到し、長時間の待ち時間(3時間待ちの3分間診療)に疲れ果てているのが実情です。

日本の場合、従来からの無床診療所がPCPに近いようですが、設備が古かったり、高齢で頑固な医師だったり、近所にいつの間にかできた若手医師が多いなど、診察技能の面で不安があるのは確かです。

誰だって、診察の上手な医師に診てもらいたいという気持ちを持つのは当然でしょう。

万一、診療ミス、医療過誤があったとしても、「大病院でさえそうなんだ」と、諦めがつくということもあります。

クリニック等の小規模医療機関で、診療ミス、医療過誤があれば、「あの時、大病院に行っていれば。。。」と、絶対後悔するのが小市民の常なのです。

ただ、大病院に受診した場合にもデメリットがあります。

大病院の医師は専門医である場合が多く、
自分の専門の範囲内で患者を診察してしまって、別の疾患分野である場合を見落とす可能性があるからです。

専門医としては優秀であっても、一般医としては、(むしろ、総合的な見地から診察する意味において、「総合医」と呼ぶべきですが)優秀とは限らないのです。

つまり、「総合医のスペシャリスト」こそが、今の日本の医療にとって必要な存在なのです。

真のかかり付け医(PCP)を日本に普及させるには、患者が安心して、最初に相談できるような、医師会や学会による、「かかりつけ医認定制度」の創設などが必要かもしれません。

医療機関のHPやパンフレットなどを見ても、内科認定医や糖尿病認定医のような、「専門認定医」の肩書きは結構目にします。

しかし、「かかりつけ認定医」だけは残念ながら聞いたことがありません。
(2005年1月現在)

 
 
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