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薬物(医薬品を含む)を投与された患者又は被験者に生じた「あらゆる好ましくない医療上のできごと(事象)」。

ただし、当該薬物(医薬品含む)との因果関係の有無は問わない

より具体的には、薬物(医薬品を含む)が患者又は被験者に投与された際に起こる、あらゆる好ましくない、あるいは意図しない徴候(臨床検査値の異常を含む)、症状または病気

※意図して起こさせた事象は、たとえ「医療上好ましくないもの」だとしても、「有害事象」には分類されない。

ここで、重要な点は、「有害事象」は、必ずしも、当該薬物の投与との因果関係が明らかなもののみを示すものではない、ということです。

言い換えれば、薬物投与後に生じた「好ましくない医療上の事象」は、因果関係の有無によらず、すべて有害事象」ということになります。

 
 

副作用」(Side Effect)とは、日本語表記・英語表記からも自明なように、本来は、薬物(医薬品含む)の主要な作用である「主作用」(Main Effect)に対して、二次的な、副次的な作用を指します。

したがって、本来「副作用」には、良し悪しの概念はありません

→ 副作用

しかし、副作用と聞くと、「悪い事象」が発生したという印象(イメージ)があります。

言葉の意味の乖離は、混乱をきたすもとなので、治験・臨床試験では「副作用」という言葉はなるべく使わずに、

● 「有害事象」
  (AE:Adverse Event)
  =因果関係の有無によらず
   投与後に起きた好ましくない事象

● 「薬物有害反応」
  (ADR:Adverse Drug Reaction)
  =因果関係の否定できない有害事象

● 「薬物有害反応ではない有害事象」
  =因果関係のない有害事象

で区別される方向にあります。

→ 薬物有害反応(ADR)

なお、薬物の二次的な作用を表す場合は、
「サイド・イフェクト」(Side Effect)という英語を使うことで、問題は解決します。

要するに「副作用」という表現は、もはや「医療用語」「医薬品用語」ではなく、多分に誤解される可能性を含む「一般用語」である、という扱いです。

これらの関係を包含関係で示すと、

有害事象(AE)
(Adverse Event)

薬物(医薬品含む)を投与された患者・被験者に生じたあらゆる好ましくない医療上のできごと。

薬物有害反応(ADR)
(Adverse Drug Reaction)
[※薬事上の副作用]

投与量に関わらず、投与された薬物(医薬品含む)に対するあらゆる有害で意図しない反応

統計学的見地から、一般的に
発生率1%の薬物有害事象の検出には
300症例の臨床試験が必要である

と言われています。

臨床試験の症例数として、300前後が多いのは、そのためです。

 
 
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