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倫理的な問題はあるものの、プラセボを用いる治験は増えてきています。

そこで最近では、プラセボに当たる患者の数ができるだけ少なくなるように、被験薬対プラセボの比率を、2対1、3対1、4対1、5対1・・・ と設定する場合が増えてきています。

その治験全体の参加者数が多ければ、たとえプラセボの割合を減らしても、統計的な解析によって、効果を比較することは十分可能だからです。

もちろん、全体の参加者数が少なければ無理ですが。。。

プラセボを使用する治験と使用しない治験では、当然、参加率が異なってきます。

たいていの患者は、わざわざ治験に参加してまで、薬効成分のないプラセボを投与されるだなんて、馬鹿馬鹿しいと感じるでしょう。

治験への参加者が集められなければ、その治験はいつまでたっても進まず、コストがかかる一方なので、治験を実施する製薬企業も必死です。

そこで、せめて、プラセボに当たる確率を減らすことによって、参加者の不安や不満を小さくして、治験参加率を高めようとしているのです。

 
 

上記のようにプラセボの比率を少なくすることによって、プラセボに当たる確率を減らすことができますが、被験薬の用量を2種類以上用意することによっても、実現できます。

用量の違う群(集団)間で比較することによって、効果の有無や程度を調べることができます。

また同時に、被験薬の最適な用量を調べることも可能になります。

特に多いのは、

症例数の比率を

  被験薬(用量1)
 : 被験薬(用量2)
 : プラセボ
=1:1:1

とするケースです。

結果的に、
被験薬:プラセボ=2:1
となります。

プラセボの人数比をさらに減らして、

   被験薬(用量1)
 : 被験薬(用量2)
 : プラセボ
=2:2:1

すなわち、
被験薬:プラセボ=4:1
とする場合もあります。

用量の種類を3つに増やして、

   被験薬(用量1)
 : 被験薬(用量2)
 : 被験薬(用量3)
 : プラセボ
=1:1:1:1

すなわち、
被験薬:プラセボ=3:1

とする場合もあります。

 
 
プラセボとは?
プラセボ対照試験
ヘルシンキ宣言におけるプラセボに関する記述
 
 
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